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2025.05.12

「安さ信仰」から脱却せよ!値上げがもたらす持続可能な経営とは

S&K Holdings

「この値段、安すぎない?」

行列のできるお店や人気サービスを見て、そんなふうに思ったことはありませんか?

実はそれ、経済の基本原則から見ても理にかなっています。

価格は“価値”ではなく、「欲しい人」と「提供する人」のバランスで自然と決まるもの。

それにもかかわらず、日本では「安さこそ正義」という価値観に縛られ、適正な価格が機能しづらくなっています。

今回は、価格の本質と社会の健全な循環について考えます。

この記事はVoicyの「No.304 値段は需給バランスが示すところに落ち着く」を基に執筆しています。

「神の見えざる手」が示す価格の本質〜需要と供給が価格を自然に決定する仕組み

価格の仕組みは、じつはとてもシンプルです。

「欲しい人が多く、売る人が少ない」と価格は自然と上がっていきます。逆に、「売る人が多く、欲しい人が少ない」と価格は下がります。

これが市場経済の基本、「神の見えざる手」とも呼ばれる需給の力です。

たとえば、マクドナルドのハンバーガーが10円だったら、大行列になるでしょう。でもこれは、美味しいから行列ができるのではありません。

安すぎるから行列ができている、つまり、価値に対して価格が見合っていない証拠です。

反対に、どれだけ美味しくても1食10万円のフレンチレストランには、毎日行列はできません。

つまり、「行列ができる=価値が高い」ではなく、「価値に対して価格が安すぎる」が正解

こうした“価格と価値のズレ”が放置されていると、供給者側にとってのモチベーションが下がり、結果として質の高いサービスや商品が生まれにくくなってしまうのです。

「安さ信仰」から脱却せよ!値上げがもたらす正の循環と持続可能な経営

多くの日本人に根付いているのが、「安いことは良いこと」という価値観です

しかし、価格を上げるという行為には「価値を正しく評価する」という大事な意味が込められています。

たとえば、行列のできるレストラン。

料理の質やサービスは一流なのに、価格が低すぎると供給が追いつかず、毎日長蛇の列ができてしまいますよね。

これは「今の価格は安すぎますよ」という市場からのサイン。
本当に適正な価格であれば、行列がゼロになるタイミングがあるはずだからです。

正当な対価が実現する「持続可能な経営」の秘訣

また、価格を上げることで得られる最大のメリットは、関わる人たちの待遇を良くできることです。

料理人、スタッフ、マネジメント…良い仕事をしている人たちに正当な報酬が渡ることで、仕事への誇りや熱意がさらに高まり、サービスの質も上がります。

この正の循環こそが「持続可能な経営」につながるのです。

価格を上げるということは、「より良いものを、より良い人材と共につくっていく」という意思表明でもあります。

ただ安くするのではなく、「その価値に見合う対価」をしっかり受け取ることが、日本全体の豊かさにつながるのではないでしょうか。

【市場の声】「引っ張りだこ」は価格設定のズレを教えてくれる

「このサービスは良い」「あの店は名店だ」といった評価は、評論家やSNSの声だけで決まるものではありません。

本当に価値あるものは、需要が供給を上回ったとき、つまり「引っ張りだこ」になったときにこそ明らかになります。

たとえば、人気の講演家やコンサルタントが常にスケジュール満杯だったら、それは「その人の話に価値を感じる人」が圧倒的に多いということです。

逆に、どんなに知識があっても依頼が少ないのであれば、価格か伝え方、もしくは価値の届け方にズレがあるかもしれません。

ここで大切なのは、「引っ張りだこになること自体が価値の証明」であるという視点です

  • 行列ができるレストラン
  • 予約が取れない美容師
  • 満席の講座 など…

これらは供給が追いついていない状態で、適正価格より低く設定されている可能性が高いのです。

まとめ:「誰かがちゃんと報われる社会」を実現する適正価格の力

価格を正しく設定することが大切です。

それは単に「儲けたいから値上げする」という話ではありません。もっと本質的には、「誰かがちゃんと報われる社会」をつくるための鍵です。

私たち一人ひとりが「安さだけではなく、価値を見て選ぶ」という視点を持りましょう。

それが、仕事に誇りを持てる社会を育て、結果として私たち自身の未来を豊かにする道につながっていくのです。

今日の使える英語スラング:「Max out」

“Max out”は、「限界まで使う」「上限に達する」という意味のスラングです。

  • My credit card is maxed out.(クレジットカードの限度額を使い切った)
  • He maxed out at the gym today.(彼は今日ジムで限界まで頑張った)

価格設定や需給の話にちなんで、「価格が maxed out(上限に達している)」という表現も応用できますよ。

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