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2025.06.23
時給1800円が普通の街・ニセコに学ぶ!「安い国=日本」から脱却する高付加価値ビジネスの始め方
S&K Holdings
「日本は物価が安い」と聞いて、違和感を覚える方は少ないかもしれません。しかし、世界中の旅行者たちは「日本=安すぎる国」と認識しています。
最低賃金でさえ東京より韓国が上回る時代に、日本のモノやサービスは国際的に「格安」で提供されているのが現状です。この現実を正しく受け止めなければ、日本の経済はさらに内向きに沈み込んでしまうでしょう。
この記事では、日本が「安い国」になったことを受け入れ、そのうえでインバウンド戦略や価値の再設計がいかに重要かを掘り下げていきます。
本記事はVoicyの『No. 322 日本は安い国になった事を自覚するべき』を基に執筆しています。
GDP5位転落予測の裏にある「価格競争敗北」の真実

国際的な視点で見たとき、日本の物価は今や「割安」とされるレベルに達しています。
2025年にはインドがGDPで日本を抜くと予測されており、経済規模の順位でも世界第5位に転落する見込みです。GDPが国の経済状態を表す指標のすべてではありません。
しかし、感覚的にも「海外が高くなった」のではなく、「日本が安くなった」ことを実感する場面が増えているのではないでしょうか。
たとえば韓国では、外食一つとっても現地の方が高価格です。この差は単なる為替や物価の話ではありません。
日本が長年にわたって価格競争に頼りすぎてきた結果として、国際市場でのプレゼンスを自ら下げてしまったとも言えるのです。
時給1800円でも人が集まるニセコ式「価値ある仕事」の作り方

北海道・ニセコでは、ラーメン一杯が2,000円、アルバイトの時給が1,800円という価格が常態化しています。これは決して暴利ではなく、インバウンドの観光客が「その価値に見合う」と判断しているからこそ成り立っている価格です。
さらに、ニセコのアルバイト求人では英語力が求められ、実際に働くのは多くが英語ネイティブの人材です。
つまり、日本語を話せるだけでは通用しないフィールドが国内に生まれているのです。これこそ、真の国際市場に対応する姿勢であり、観光立国としての理想的な在り方でもあります。
外国人は「日本は安すぎて不安」と感じている?

現在の日本国内では、住んでいる人の感覚をもとに価格設定が行われがちです。しかし、その感覚で商品やサービスを提供すれば、海外からの旅行者には「安すぎて不安」「本当に質が高いのか」と疑問を抱かせてしまいます。
かつて日本人が東南アジアで「安いけど大丈夫?」と感じたのと同じように、今の日本がそう見られているのです。このギャップを乗り越えるには、「価格以上の価値」をどう伝えるかが問われます。
単に接客が丁寧というだけでは足りず、ターゲットの期待と価値観に寄り添ったコンセプト設計が不可欠です。
インバウンドが求める「非日常体験」をビジネス化する方法

観光地に限らず、全国的に「価格を上げること」への抵抗感が根強い日本ですが、それでは自国の価値を正しく伝えることができません。むしろ「日本は安い国だ」と世界に認識されている今こそ、思い切って価格を見直し、真に価値ある商品・サービスを設計するチャンスです。
それは単なる値上げではなく、サービスの本質を見直すことでもあります。例えば外国人観光客が求めているのは、「非日常の体験」や「ストーリーのある商品」です。こうしたニーズに応えることで、日本のビジネスは価格以上の満足を提供し、持続可能な形で成長していけるでしょう。
まとめ:「安い国・日本」を新たなビジネスチャンスに変えよう

日本が「安い国」となった現実は、悲観すべきことではなく、新たな挑戦の出発点です。世界と比べて安価であることを恥じるのではなく、それを認識したうえで「どうすれば正当な価値を示せるか」を問い直すべき時期に来ています。
観光業をはじめとする多くの分野で、世界基準のサービスと価格戦略が求められています。国内の感覚だけで完結せず、外からの視点も取り入れること。
それがこれからの日本に必要な「価格の再定義」であり、未来への布石となるのです。
ワンポイント英語スラング:Keeper
今回のスラングは「keeper」。恋愛の文脈で使われ、「大事にすべき人」「手放すには惜しい存在」という意味があります。例えば “He’s a keeper.”(彼は手放したくない存在だ)という表現は、英語圏でよく耳にします。ビジネスの場面では、製品や社員に対しても使える便利な言い回しです。