マインド
2026.02.17
新規事業で「勝つ」より大切なこと。私が「絶対負けない戦い方」にこだわる理由
S&K Holdings
「新しい事業を始めて、一発逆転で大成功を収めたい」
起業を志す人の多くは、どうしても「どうやって勝つか」という戦略に目を奪われがちです。
もちろん勝つことは重要ですが、私が新規事業を立ち上げる際に最も大切にしているのは、実は「勝てるかどうか」ではなく、「絶対に負けない状況をどう作るか」という視点です。
ビジネスの世界では、生き残り続けていれば、いつかチャンスは巡ってきます。しかし、途中で資金が尽きて退場してしまえば、そこですべてが終了してしまいます。
今回は、Voicyの放送「No.343 これやったら絶対負けないを狙う」の内容をもとに、私が考える起業における「負け」の定義と、持続可能な事業を構築するための具体的な戦略について解説します。
そもそも起業における「負け」の定義とは?

私が定義するビジネスにおける「負け」とは、一言でいえば「お金がなくなって、事業を続けられなくなること」です。
逆にいえば、どんなに苦しい状況でも、事業を継続する資金さえあれば、それはまだ負けではありません。世の中には「もう一踏ん張りしていれば成功していたのに、あと一歩のところで資金が尽きてしまった」という事例が山ほどあります。
「あと少し続ければ勝てるのが見えているのに、続けられない」
これこそが、起業家にとって最も避けるべき「真の負け」なのです。
撤退やピボットは「負け」ではない

よく「事業がうまくいかなくて撤退した」ことを失敗や負けだと捉える人がいますが、私はそうは思いません。
事業の方向性を修正する「ピボット」や、見込みがないと判断して早期に「撤退」することは、あくまで「うまくいかない方法を一つ見つけた」というプロセスに過ぎません。
「失敗したのではない。うまくいかない1万通りの方法を発見したのだ」
トーマス・エジソンの有名な言葉がありますが、まさにその通りです。撤退して別の方法に切り替え、挑戦し続けている限り、それは成功へのステップです。
本当の負けとは、次の挑戦をするための体力(資金)すら失い、リングから降りざるを得なくなること。だからこそ、起業家は「勝負」の前に「存続」を徹底的に設計しなければならないのです。
「負けない」ための核心は固定費のコントロール

では、具体的にどうすれば「絶対に負けない」状況を作れるのでしょうか?
その鍵を握るのは、「固定費を自分の支払える範囲内に抑え込むこと」です。
事業が破綻する最大の原因は、売上が立っていないにもかかわらず、毎月決まって出ていく固定費に押し潰されることです。この固定費を、自分の「持ち出し」や「既存の利益」で賄える範囲に設計しておけば、理論上、事業が潰れることはありません。
事例①:サラリーマンの週末起業
例えば、一般のサラリーマンが副業として起業する場合を考えてみましょう。
自分の給料から、毎月10万円までは事業に回せるとします。この場合、月の固定費を10万円以下に設定していれば、売上がゼロだったとしても生活が破綻することはありません。
ネットショップの運営や、スモールなサービス開発であれば、月数千円〜数万円の固定費で始めることは十分可能です。
この「負けない設計」ができていれば、納得がいくまで試行錯誤を繰り返すことができます。
事例②:既存事業を持つ中小企業
すでに本業で利益が出ている会社が新規事業を始める場合も同じです。
例えば10名ほどの従業員がいる会社で、既存事業の利益から毎月100万円を新規事業に投資できるとします。その100万円の枠内で新しいプロダクトを開発し、検証を進めていく。
「既存事業の利益で賄える範囲」で戦う限り、新規事業がすぐに収益化できなくても、会社全体が倒産するリスクはありません。
私が実践する「負けない」新規事業の作り方

私自身、現在は複数の事業を運営していますが、かつては一攫千金を狙った派手な起業スタイルに憧れた時期もありました。
しかし、多くの経験を経て辿り着いたのは、「既存事業で稼いだ利益を、次の新規事業の固定費に充てる」という極めて手堅いスタイルです。
一気に規模を拡大させて勝負に出るのではなく、まずは自分の手の届く範囲でスモールに始め、確実に「負けない仕組み」を作った上で、少しずつ大きくしていく。
派手さはありませんが、この方法こそが、不確実な時代において確実に成果を積み上げていくための唯一無二の戦略だと確信しています。
まとめ:リングに立ち続ける人が最後には勝つ

新規事業を成功させるコツは、意外にも「勝とうとしないこと」かもしれません。
- 負け=資金ショートによる継続不能と定義する
- 固定費を自分の余力の範囲内に抑える
- 続けられる環境を維持し、試行錯誤の回数を増やす
まずは「絶対に負けない」という土台を固めてください。リングに立ち続けてさえいれば、必ず自分にとっての「勝ち筋」が見えてくるはずです。
ワンポイント英語スラング:Real Bitch
今日のスラングは”Real Bitch”です。
「Bitch」という言葉は非常に強い言葉ですが、物事に対して使う場合は「すごく大変なこと」「過酷な状況」「手に負えない難題」といったニュアンスになります。
例えば、どうしようもない自然の厳しさや、手に負えない不況などを指して使われます。
- “Mother Nature is a real bitch.”(自然というものは、本当に厳しくて残酷なものだ)
- “The sudden economic downturn was a real bitch.”(急激な景気後退は、本当に手に負えないほど大変だった)
非常にカジュアルで、かつ汚い言葉(スワワード)に含まれるため、使う場面には十分な注意が必要ですが、映画やドラマなどで現状の過酷さを強調するシーンでよく耳にする表現です。


