
マインド
2025.07.15
優秀な経営者ほど「撤退判断」が上手い?やめる勇気の身につけ方
S&K Holdings
新規事業やスタートアップを始めたとき、多くの人が「成功するまで続ける」と心に決めているはずです。
しかし、現実は厳しく、ビジネスの多くが期待通りには進みません。ときに撤退を判断することも、事業を成功させるための大切な選択肢です。
この記事では、ビジネスをやめるべき「タイミング」について、創業者の視点から3つの明確な判断軸を解説します。
この記事はVoicyの「No. 329 やめるタイミング」を基に執筆しています。
なぜ経営者は撤退を先延ばしするのか?「会社は勝手に潰れない」の意味

最初に知っておいてほしいのは、会社は自然に倒産するのではなく、「潰すという判断」をしたときに初めて終わるということです。破産の手続きも、経営陣や株主が意思決定をして初めて実行されます。
つまり、「辞めるかどうか」は自分の中の判断が起点なのです。
創業者が最後まで覚悟を持って経営に関わることは大切ですが、続けることでかえって傷口を広げるケースも少なくありません。では、どんなときに「やめる判断」をすべきなのでしょうか?
創業者が見落としがちな撤退サイン3選【情熱・資金・時間の枯渇を見極める方法】

なぜ、創業者はビジネスの辞め時を見失ってしまうのでしょうか。ここでは、撤退の兆候を示すサインを計3つ紹介します。
1. 思いがなくなったとき
ビジネスの原動力は、創業時の「こうしたい」「社会をこう変えたい」という強い思いです。それが消えてしまったとき、たとえお金があっても、やり続ける意味は薄れてしまいます。
思いが尽きた事業を惰性で続けても、結果はついてきません。もし継ぎたい人がいれば譲る選択もありますが、自分の情熱が尽きたときは、潔く引くのも誠実な選択です。
2. お金が尽きたとき
どれだけ志があっても、資金が底をつけば事業は続けられません。毎月の支払いが困難になる、借入の返済ができない、といった状態が続くなら、それは撤退のサインです。
この場合、破産手続きによって法的に事業を終了させることになります。逆に、まだ現金が残っている段階での“自主的な撤退”は、ダメージを最小限に抑える判断とも言えるでしょう。
3. 時間が使えなくなったとき
創業者自身が、事業に時間を割けなくなったとき。たとえば、家庭の事情、健康の問題、別のプロジェクトへの集中など理由は様々ですが、経営に全力を注げないならば、いずれ会社にも悪影響が及びます。
そのときは、以下の判断が求められるでしょう。
- 誰かに事業を譲るか
- 会社を売却・清算するか
とくに初期フェーズの企業では「創業者=会社」になりがちなので、この判断はとても重要になります。
【最後の覚悟】一人になってもやり抜く意志があるかが分岐点になる理由

成功とは、時間差でやってくることもあります。長年成果が出なかった事業が、ある日突然ニーズにハマって急成長する。そんな例も実際にあります。
だからこそ、たとえ赤字が続いていても、以下の3つがそろっていれば、続ける価値はあると筆者は語ります。
- 強い思いがある
- お金がなんとかなる
- 自分が時間を使える
特に人材がいなくなった場合でも、創業者ひとりででも続けたいと思えるかどうかが重要な分岐点になります。「最後は一人になってもやり抜く」という覚悟。それを持てるならば、たとえ遠回りしても、成功への道は残されています。
まとめ:撤退は「負け」ではない!より良い未来への大切なステップ

撤退の判断は苦しく、できれば避けたい決断です。しかし、思いが尽きたなら潔く、資金が枯渇する前に冷静に、時間が割けないなら柔軟に。
それぞれの視点で最適な判断を下すことは、経営者にとって立派なスキルです。
やめることは決して「負け」ではありません。より良い未来を築くための、大切なステップです。
ワンポイント英語スラング:Mansplaining
今日のスラングは「Mansplaining」。これは「man(男性)」と「explaining(説明)」を組み合わせた造語で、相手が求めていないのに、上から目線で長々と説明することを指します。
例文:Stop mansplaining!(上から目線で説明するのはやめて)
このような使い方がされます。特にジェンダーの文脈で使われることが多く、皮肉を含んだ表現です。