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2025.11.10

統計データに騙されるな!ビジネスの意思決定を誤らせる「数字の罠」とコントロールグループの重要性

S&K Holdings

「統計データによれば、XXが正しい」「90%の人がこう言っている」

ビジネスや日常生活において、私たちは日々さまざまな「データ」に囲まれて意思決定をしています。しかし、そのデータ、本当に正しく読み解けているでしょうか?

比較対象を誤ると、データはまったく逆の結論を導き出す“凶器”にもなり得ます。ビジネスの舵取りを誤らないために、知っておくべき重要な概念が「コントロールグループ」です。

この記事では、Voicy「No. 336 統計分析をする時はコントロールグループが重要」の配信内容をもとに、データに騙されないための必須知識について、具体的な事例を交えて解説します。

そもそも「コントロールグループ」とは何か?

まず初めに、「コントロールグループ」とは一体何なのでしょうか。

簡単に言えば、これは「検証したいことの影響を受けていない、比較するためのグループ(サンプル)」のことです。

例えば、新しい薬の効果を試す「治験」を思い浮かべてください。薬を投与するグループ(A)と、薬ではない偽物(プラセボ)を投与するグループ(B)に分けますよね。この時、Aが「検証したいグループ」であり、Bが「コントロールグループ」です。

もしBグループ(コントロールグループ)なしに、Aグループの人たちだけに薬を飲ませて「50%の人が回復した!」と言っても、それが薬の効果なのか、自然治癒なのか、全く判断がつきません。

Bグループ(偽薬)でも「48%の人が回復した」というデータがあって初めて、「A(本物)は50%回復、B(偽物)は48%回復。その差は2%だから、この薬に顕著な効果はないかもしれない」と判断できるわけです。

検証には「ある状態」と「ない状態」の比較が欠かせません。その基準となるのが、コントロールグループです。

【具体例1】シートベルトの統計に潜む罠

コントロールグループの視点がなければ、私たちは日常的にデータを誤読してしまいます。わかりやすい例が「シートベルト」の話です。

「交通死亡事故を分析したところ、亡くなった方の3割がシートベルトをしていませんでした。だから、シートベルトを必ず着用しましょう!」

このような啓発ポスターを見たことがあるかもしれませんが、一見するととても正しく聞こえます。「3割も」シートベルトをしていなかったのなら、やはり着用すべきだ、と。

しかし、このデータだけでは、シートベルトが安全に寄与しているかどうか、相関関係すらわかりません

なぜ「90%」でも意味がないのか?

この数字をさらに極端にしてみましょう。

「衝撃の事実!交通死亡事故で亡くなった方の90%がシートベルトをしていませんでした!」

これならどうでしょう。「90%!」と聞くと、誰もが「シートベルトをしないと、ほぼ確実に死んでしまうんだ!」と恐怖し、即座にベルトを締めるかもしれません。

ですが、統計的に見ると、この「90%」という数字にも、それ単体では何の意味もありません

なぜなら、「シートベルトは有効か?」を判断するための「コントロールグループ」が欠けているからです。

必要な「比較対象」とは

ここで必要なコントロールグループ(比較対象)とは、「そもそも、日本全体で車に乗っている人のうち、何割がシートベルトを着用しているのか?」というデータです。

この「世の中全体の着用率」があって初めて、先ほどの「死亡者の未着用率90%」が意味を持ちます。

【ケースA】 もし、世の中の着用率が低い場合

  • コントロールグループ: 日本のドライバーの95%が、そもそもシートベルトをしていない。
  • 分析データ: 死亡者の90%が、シートベルトをしていなかった。

この2つを比較すると、どうなるでしょうか?

世の中の「95%」が未着用なのに、死亡者に占める未着用の割合は「90%」です。

……むしろ、シートベルトをしている人(全体の5%)の方が死亡者の10%を占めており、「シートベルトをすると死亡率が上がる」という逆の結論になってしまいます。

【ケースB】 もし、世の中の着用率が非常に高い場合

  • コントロールグループ: 日本のドライバーの99%が、シートベルトをしている(未着用は1%)。
  • 分析データ: 死亡者の90%が、シートベルトをしていなかった。

この場合はどうでしょう。

世の中ではたった「1%」しかいない未着用者が、死亡者の「90%」を占めている。

これは「シートベルトをしないと、死亡率が異常に跳ね上がる」ことを示しており、「シートベルトは極めて有効だ」と結論付けられます。

同じ「死亡者の90%が未着用」というデータでも、コントロールグループの設定次第で結論は正反対になります。

【具体例2】年収と「右利き」の奇妙な関係

もう一つ、別の例で考えてみましょう。

「調査の結果、年収1000万円以上のビジネスパーソンの9割が『右利き』でした」

このデータを見て、「よし、今日から左利きの息子を右利きに矯正しよう!その方が将来稼げるようになる!」と考える親は、おそらくいないでしょう。

私たちは無意識のうちに、これが「意味のないデータ」だと感じています。なぜでしょうか?

これも「コントロールグループ」の視点で説明がつきます。

比較すべきは「世の中の右利きの割合」

この場合のコントロールグループは、「そもそも、全人口のうち何割が右利きなのか?」というデータです。

【ケースA】 世の中と高年収層の割合が近い

  • コントロールグループ: 全人口の85%が右利きである。
  • 分析データ: 年収1000万円以上の人の90%が右利きである。

この2つを比べると、確かに高年収層の方がわずかに右利きの割合が高いようです。もしかしたら「右利きであること」と「高年収」には、何らかの相関関係があるかもしれません(もちろん因果関係はありませんが)。

【ケースB】 世の中の方が右利きの割合が高い

  • コントロールグループ: 全人口の95%が右利きである。
  • 分析データ: 年収1000万円以上の人の90%が右利きである。

この場合はどうでしょう。

世の中全体(95%)よりも、高年収層(90%)の方が、むしろ右利きの割合が低いことになります。

これでは「右利きの方が稼げる」とは到底言えません。

むしろ、「人口の5%しかいない左利きが、高年収層の10%を占めている。左利きは高年収の仕事に就く才能があるのかもしれない!」という仮説すら立てられてしまいます。

まとめ:データ分析は「比較」が命。コントロールグループを見失うな

私たちは、インパクトの強い数字(「90%!」)や、自分の直感に合うデータ(「シートベルトは大事」)を、無条件に受け入れてしまいがちです。

しかし、統計分析やデータに基づいた意思決定において、数字そのものに意味はありません

  • その数字は、何と比較されているのか?
  • その「比較対象」(コントロールグループ)は、適切に設定されているか?

この2点を常に疑う癖をつけなければ、データに踊らされ、重大な判断ミスを犯すことになります。

検証したい「ある状態」と、基準となる「ない状態」。

この2つを正しく比較すること。それが、データに騙されず、本質を見抜くための第一歩です。

ワンポイント英語スラング:Killing it

今日のワンポイントスラングは「Killing it」です。

文字通りに訳すと「それを殺している」という、何とも物騒な表現になります。

しかし、スラングとしての「Killing it」は、「ものすごく上手くいっている」「絶好調だ」「圧勝している」といった、非常にポジティブな意味で使われます。

単に「うまくいっている (doing well)」というよりも、もっと力強く、「次々と成功を収めている」「バッタバッタと問題をなぎ倒している」といった、圧倒的なニュアンスを含みます。

【例文】

“Ever since she started her new job, she’s been absolutely killing it with all her projects.”

(彼女は新しい仕事を始めて以来、担当するプロジェクトが全部大成功で、まさに絶好調だ)

仕事やスポーツ、パフォーマンスなど、何かが非常にうまく行っている人や状況を褒める際に使える、格好いい表現です。

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