経理

2025.01.17

離島で大人の起業ラジオ:値上げと賃上げについて

S&K Holdings

値上げと賃上げの関係性を正しく理解していますか?

本記事では、石垣島の低賃金問題を例に、値上げと賃上げがどのように関連しているのかを解説します。

読了後は、地域経済と雇用環境の課題をより深く理解できるでしょう

観光地特有の価格設定の裏側や、給料向上の鍵について知りたい方はぜひ読み進めてください。

本記事は、Voicyの「No.249 値上げと賃上げ」を基に記事を書いています。

石垣島は全国でも有数の給料が低い地域のひとつ

石垣島は日本でも給料が低い地域として知られています。2024年1月時点の沖縄県最低賃金は910円で、全国平均を大きく下回っているのが現状です

特に観光業が中心の石垣島では、マリンスポーツ関連の仕事で手取り10万円台前半という例も少なくありません。

この背景には、観光業が島の経済を支える一方で、物価の安さが商品価格や収益を抑え、結果的に給料も低くなっている構造的な問題があります。

石垣島の給料が低い理由

石垣島の給料が低い理由は、物価が安く、企業が大きな利益を出しにくいことにあります。

商品やサービスの価格が低いと、会社の収入も少なくなり、従業員に高い給料を支払うのが難しくなるのです。

また、費用を抑えるために給料を下げる動きが進むことで、悪い状況が繰り返されてしまいます

特に石垣島のように観光が中心の地域では、観光客が安いサービスを求めることが多く、価格を下げざるを得ない場面がよくあります。

その結果、地域全体で収入が増えにくく、給料の低さにつながっています。

物価が安いことのメリットもありますが、働く人たちの生活に影響を与えていることを知っておきましょう。

価格を決める3つの要因とは?

低賃金問題を深く理解するためには、”物の価格がどのように決まるか”を知る必要があります。

価格は大きく分けて3つの要因によって左右されます。

  • コスト
  • 市場
  • バリュー(価値)

それぞれについて詳しく解説します。

要因①:コスト

商品の価格を決める一つの要因は「コスト」です。

コストとは、商品の材料費、作るための費用、運ぶための費用、人件費など、商品が完成するまでにかかるすべての費用のことをいいます。

例えば、石垣島の特産品や観光サービスでは、材料を島外から運ぶ際の輸送費や、地域特有の費用が価格に影響します。

要因②:市場

次に大切なのは「市場」です。

同じ商品やサービスがある市場では、競争の状況が価格に大きく影響します

例えば、石垣島の観光地近くにある飲食店では、観光客向けに価格を設定しますが、周りの店の価格に合わせる必要がありますよね。

大幅に高い値段をつけると、お客さんが他のお店に行ってしまうからです。その一方で、価格を安くしすぎるのもNGです。利益が減り、長く続けるのが難しくなります。

このように、市場の競争をよく考えることが、適切な価格設定には欠かせません。

要因③:価値

最後に、「価値」も価格を決める大切なポイントです。

価値とは、その商品やサービスがどれだけお客さんにとって魅力的かということです。

例えば、石垣島で有名な「とうふの比嘉」の朝食セットは、一皿500~600円と手ごろな価格ですが、美味しさや特別な雰囲気から多くの観光客に喜ばれています。

ただし、私はこの商品は値段をもっと高くしても売れる可能性があると考えています。しかし、日本では「安い方が良い」という考え方が強いため、価格を上げるのをためらうことが多いのです。

>>https://tabelog.com/okinawa/A4705/A470501/47001361/

これら3つの要因(コスト、市場、価値)をしっかりと考えることで、適正な価格設定ができます。

「安ければ安いほど優れている」というマインドセットが日本で普及している

日本では「安ければ良い」という考え方が広く浸透しています。

この価値観により消費者は価格を重視しすぎています。
その結果、商品の質やサービスの価値を正しく評価しにくい状況を招いてしまっているのです。

企業側も「高い値段を設定すると顧客が離れるのではないか」「値上げは悪いこと」という先入観にとらわれ、適正価格を設定することをためらっています。

しかし、そのマインドによって最終的に困るのは労働者です。

商品の価格が本来の価値を反映せず、従業員の給料やサービスの質が低下する悪循環に陥っています。

適切な価格設定を行うことは、従業員への還元やサービスの向上につながります。

安さを追求するだけではなく、価値を重視した選択が重要です。

まとめ:需要と供給のバランスが価格を作っていることを忘れないでおこう

石垣島の低賃金問題を考える上で、「需要と供給のバランスが価格を決める」という基本を忘れてはいけません。

どんなに良い商品やサービスでも、需要が供給を大きく上回る場合、それは価格設定が適正でない可能性を示します。

価格が低すぎると、企業は十分な収益を得られず、労働者への適切な報酬を支払うことが難しくなるからです。

価格を決める際に「安さ」だけにとらわれず、市場の状況や消費者が感じる価値を考慮することが重要です。

需要と供給のバランスを意識し、持続可能な地域経済を目指しましょう。

ワンポイントスラング「G&K」

海外でお金やビジネスの話をする際に役立つスラングとして、「G&K」があります。

これは金額を簡略化して表す略語です。

「K」は「キロ(kilo)」の略で1,000を意味し、たとえば1,000ドルは「1K」となります。

一方、「G」は「ギガ(giga)」の略で1,000,000(100万)を指し、100万ドルは「1G」と表現されます。

このスラングは英語圏で広く使われ、たとえば「The deal was worth 5G」は「その取引は500万ドルの価値があった」という意味になります。知っておくと会話がスムーズになりますよ。

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