新規事業アイデア
2026.10.15
【売れる商品開発】ターゲットとプロダクトをマッチさせる極意!大枠のペルソナ設定が失敗を招く理由
S&K Holdings
「新商品を開発したのに、思うように売上が伸びない」
「ターゲットを設定したはずなのに、なぜか顧客に響いていない気がする」
ビジネスで商品やサービスを展開する際、こうした悩みを抱える人は少なくありません。
何かを販売するとき、ターゲットを設定するのは当たり前のステップです。しかし、世の中の多くの事業者が設定しているターゲットの「粒度」は、実はプロダクト開発に活かすには粗すぎるケースがほとんどです。
本記事では、Voicy「No. 355 ターゲットとプロダクトをマッチさせよう」の放送内容をもとに、なぜ大枠のターゲット設定では商品が刺さらないのか、そしてポテトチップスの売り場戦略から学ぶ「ターゲットとプロダクトを完璧に一致させる思考法」について徹底解説します。
粗すぎるターゲット設定がビジネスを失敗させる理由

商品やサービスを企画・販売する際、大半の人はターゲット層を考えます。
- 男性向け/女性向け
- 若い人向け/大人向け
- 大衆向け/富裕層向け
しかし、正直に言ってこの程度の粒度でターゲットを決めても、プロダクトを作るときには大して参考になりません。
「大枠の属性」だけでは商品は誰にも刺さらない
例えば、「女性向けだから、よく分からないけれどパッケージの色をピンクにしよう」「富裕層向けだから、とりあえず価格設定を高めにして上質な素材を使おう」といった具合です。
もちろん大枠の方向性としては間違っていないかもしれません。しかし、そんなざっくりとしたイメージで作られた商品は、実際の顧客の心にはまったく刺さらないのが現実です。
顧客に選ばれるプロダクトを作るためには、ターゲットをもっと深く絞り込み、その具体的なターゲットに合わせてプロダクトの仕様や見せ方を細かく調整していく必要があります。
ポテトチップスに学ぶ!購買シーンとターゲットの最適化戦略

ターゲットとプロダクトをマッチさせるとはどういうことか。非常に分かりやすい具体例が「ポテトチップス」の販売戦略です。
同じポテトチップスという商品でも、販売される場所が「コンビニ」か「スーパー」かによって、中身のサイズやパッケージの訴求方法が綿密に変えられています。
1. 店舗の客層に合わせた「サイズ」の違い
コンビニとスーパーでは、来店する顧客層が根本から異なります。
- コンビニ:一人暮らしの顧客が多い
- スーパー:家族連れの顧客が多い
そのため、コンビニで販売されているポテトチップスは一人で食べ切れる通常サイズ(ワンサイズ)が基本です。一方で、スーパーに行くと家族みんなでシェアして食べるシーンが想定されるため、「ビッグサイズ」や大袋が当たり前のように並んでいます。
客層と利用シーンが違うからこそ、提供するプロダクトのボリュームそのものを変えているのです。
2. 棚の状況と顧客心理に合わせた「パッケージ」の違い
サイズだけでなく、パッケージの文字デザインや強調するポイントにも明確な違いが存在します。
以前のパッケージ設計を例に挙げると、コンビニとスーパーでは訴求の優先順位が以下のように異なっていました。
- コンビニ向け:「ポテトチップス」という商品カテゴリー名が大きく表記される
- スーパー向け:「のりしお」「コンソメ」「カルビー」といった味やメーカー名が大きく表記される
この違いが生まれる背景には、店舗における「陳列棚のスペース」と「顧客の心理状態」が関係しています。
コンビニは売り場面積に限りがあり、置ける商品の種類も限られます。そのため、棚の前で「何かお菓子が食べたいな」「何にしようかな」と漠然と探している顧客に対し、まずは「ポテトチップスですよ」と認知してもらう必要があります。
一方、スーパーの菓子売り場は広大で、棚一面がまるごとポテトチップスで埋め尽くされていることも珍しくありません。
スーパーにいる顧客は、すでに「ポテトチップスを買う」という前提で棚を見ています。その中で「どのメーカーの何味にしようか」と選んでいるため、カテゴリー名ではなく「のりしお」「カルビー」といった具体的な特徴を大きく見せる必要があるのです。
プロダクトアウト型ビジネスが陥る「顧客不在」の罠

ポテトチップスの例のように、売る場所や利用者の心理がわずかに違うだけでも、プロダクトの仕様や見せ方を柔軟に変えていくことがビジネスでは欠かせません。
しかし、この視点は「プロダクトアウト」で物作りを進めていると、特に忘れがちになってしまいます。
作るものが決まっているときほど「観察」が不可欠
「売りたい商品(サービス)の内容がすでに決まっている」「自社の強みを活かした技術がある」という状態からスタートすると、どうしても作り手側の論理だけで突っ走ってしまいがちです。
ターゲットとプロダクトのズレを解消するために最も重要なのは、ユーザー(顧客)が自社の商品をどのように使い、どのように消費しているのかを徹底的に観察することです。
- 顧客はどのような生活導線の中でその商品を手に取るのか
- どんなシチュエーションで、誰と一緒にそれを利用するのか
- 比較検討する際、棚や画面のどこを最初に見ているのか
こうした顧客のリアルな行動パターンを観察し、プロダクトの容量、デザイン、訴求メッセージを微調整していくこと。このわずかな調整の差が、最終的な売上に決定的な違いをもたらします。
まとめ:微差を追求し、ターゲットに完璧に寄り添うプロダクトを作ろう

「男性向け」「若者向け」といった大雑把なターゲット設定だけでは、競合ひしめく市場で顧客に選ばれる商品を作ることはできません。
- 属性だけでなく、購入場所や利用シーンまで踏み込んでターゲットを絞る
- 顧客の利用シチュエーションに合わせて、サイズや仕様を最適化する
- 顧客が選ぶ瞬間の心理動向を観察し、伝えるべきメッセージを研ぎ澄ます
売れる商品と売れない商品の差は、往々にしてこうした「細部へのこだわり」にあります。
自社のプロダクトが顧客の実際の利用シーンと本当にマッチしているか、ぜひ一度ユーザーの視線に立って見つめ直してみてください。
ワンポイント英語スラング「Throw in the towel」
今日のワンポイントスラングは「Throw in the towel(スロー・イン・ザ・タオル)」です。
直訳すると「タオルを投げ込む」となります。ボクシングの試合で劣勢になった選手のセコンド(コーチ)がリング内にタオルを投げ入れて降参するシーンから生まれた表現です。
そこから転じて、日常会話では「降参する」「諦める」「もうやめる」という意味で使われます。
▼例文
After hours of trying to fix the broken engine, he finally decided to throw in the towel.(何時間も故障したエンジンを直そうと試みた結果、彼はついに諦めることにした。)
ビジネスや個人の挑戦などで、粘った末に手を引く際にもよく使われる定番のフレーズです。


