
事業拡大
2025.02.13
西郷隆盛の教えに学ぶ、短期成果と長期視点のバランス
S&K Holdings
西郷隆盛の言葉「功には力を、得には地位を」という格言をご存じでしょうか?
この言葉は、成果を出した人には報酬を、人格面で優れた人にはリーダーシップの役割を与えるべきだという考え方を示しています。
これは現代の採用や組織運営にも通じるものがあります。
企業は短期的な成果を重視しがちですが、長期的な視点を見失うと将来的な成長が阻害されてしまいます。
特に事業の方向転換を図る際に、短期成果だけに依存していると適応できないケースが多いのです。
以下では、短期成果と長期視点のバランスを取るために企業が重視すべきポイントを解説します。
本記事は、Voicyの「No. 264 採用する時の基準と優先順位」を基に書いています。
短期的な成果を求めるリスク

企業は、現在進行中のプロジェクトで成果を出せる人材を求めることが多いです。
これは、短期間での成果がビジネスの即戦力になると考えられているためです。
しかし、このアプローチにはリスクがあります。
例えば、企業が本来目指している事業ではなく、収益確保のために別の事業を優先して進めている場合、短期成果にばかりフォーカスしていると将来的な方向転換が困難になります。
変化の多いビジネス環境においては、「柔軟性」を持つ人材が重要です。
短期成果だけでなく、長期的に企業のビジョンに適応できる能力も求められます。
成果と人格を分けて評価する

西郷隆盛の言葉が示すように、組織運営では「成果」と「人格」を分けて評価することが大切です。
成果を出した人に対しては適切な報酬(力)を与え、リーダーシップが取れる人格者には役職(地位)を与えることが、組織全体の士気向上につながります。
これを採用基準に応用する場合、即戦力としてのスキルや実績だけでなく、候補者が持つ価値観やコミュニケーション能力、リーダーシップの潜在力も評価する必要があるでしょう。
価値観が合う人材を採用することが最重要な理由

企業が成長するためには、企業文化やビジョンに共感してくれる人材を採用することが重要です。
組織全体の価値観が一致することで、職場の雰囲気が良くなり、社員のモチベーションが高まります。
結果として、社員同士が助け合いながら効率的に業務を進められる環境が生まれます。
音楽業界を例に考えてみましょう。
バンドが「自分たちの音楽を作りたい」という夢を持ちながら、生活費を稼ぐためにスタジオミュージシャンとして活動することがあります。
この時、バンドの方向性を理解し、スタジオ活動にも協力的に取り組めるメンバーが求められます。
音楽性が合わない人や短期的な利益だけを考える人が参加すると、チームワークが崩れてしまうかもしれません。
これと同じことが企業活動でも言えます。つまり、企業でも長期的な目標に向けて共に努力してくれる人材が必要なのです。
こうした人材は、単なるスキルの有無よりも、長期的な成功に貢献してくれる可能性が高いと言えます。
長期視点を取り入れた採用のポイント

企業の将来的な成長を支えるためには、以下のようなポイントを意識して採用基準を設定することが効果的です。
- 候補者が企業のビジョンや価値観に共感しているかを確認する
- 短期成果だけでなく、柔軟性や問題解決能力を見極める
- チーム全体にポジティブな影響を与えられるかを評価する
これらの視点を持つことで、短期と長期の両方で成果を出せる人材を見つけやすくなります。
まとめ:時代に応じて、採用基準を見直そう

企業の成長において、適切な人材を採用することは極めて重要です。
特にスタートアップや中小企業では、採用の成否が事業の運命を左右することも少なくありません。
しかし、単に候補者の経歴や実績だけに頼る採用にはリスクがあります。
企業は時代や事業環境の変化に応じて採用基準を見直し、適材適所の人材配置を行うことが、競争力強化のカギとなります。
今回紹介した基準を参考に、持続可能な成長を目指した採用を実践してみてください。
ワンポイント英語スラング:Posh
今回のスラング「Posh」は、お金持ちや上品といった意味を持つ言葉ですが、使い方によっては「気取っている」「お高くとまっている」といったマイナスのニュアンスも含まれます。
- I don’t like your new suit. It looks posh.(その新しいスーツ、気取ってるみたいで好きじゃないな)
- Oh, you live there? That’s a very posh neighborhood.(あの地域に住んでるの?とても高級な地域だね)
言葉の背景や文脈を理解することで、適切に使い分けましょう。